民事系・失火法(失火ノ責任ニ関スル法律)
 

   第七節 監査役 


(監査役の権限) 
第三百八十一条  監査役は、取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の職務の執行を監査する。この場合において、監査役は、法務省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。 
2  監査役は、いつでも、取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対して事業の報告を求め、又は監査役設置会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 
3  監査役は、その職務を行うため必要があるときは、監査役設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 
4  前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 

(取締役への報告義務) 
第三百八十二条  監査役は、取締役が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に報告しなければならない。 

(取締役会への出席義務等) 
第三百八十三条  監査役は、取締役会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。ただし、監査役が二人以上ある場合において、第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがあるときは、監査役の互選によって、監査役の中から特に同条第二項の取締役会に出席する監査役を定めることができる。 
2  監査役は、前条に規定する場合において、必要があると認めるときは、取締役(第三百六十六条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、取締役会の招集を請求することができる。 
3  前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集の通知が発せられない場合は、その請求をした監査役は、取締役会を招集することができる。 
4  前二項の規定は、第三百七十三条第二項の取締役会については、適用しない。 

(株主総会に対する報告義務) 
第三百八十四条  監査役は、取締役が株主総会に提出しようとする議案、書類その他法務省令で定めるものを調査しなければならない。この場合において、法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その調査の結果を株主総会に報告しなければならない。 

(監査役による取締役の行為の差止め) 
第三百八十五条  監査役は、取締役が監査役設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該監査役設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 
2  前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の取締役に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。 

(監査役設置会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表) 
第三百八十六条  第三百四十九条第四項、第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、監査役設置会社が取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は取締役が監査役設置会社に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、監査役が監査役設置会社を代表する。 
2  第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監査役が監査役設置会社を代表する。 
一  監査役設置会社が第八百四十七条第一項の訴えの提起の請求(取締役の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合 
二  監査役設置会社が第八百四十九条第三項の訴訟告知(取締役の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第八百五十条第二項の規定による通知及び催告(取締役の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合 

(監査役の報酬等) 
第三百八十七条  監査役の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。 
2  監査役が二人以上ある場合において、各監査役の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、前項の報酬等の範囲内において、監査役の協議によって定める。 
3  監査役は、株主総会において、監査役の報酬等について意見を述べることができる。 

(費用等の請求) 
第三百八十八条  監査役がその職務の執行について監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)に対して次に掲げる請求をしたときは、当該監査役設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該監査役の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 
一  費用の前払の請求 
二  支出した費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 
三  負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 

(定款の定めによる監査範囲の限定) 
第三百八十九条  公開会社でない株式会社(監査役会設置会社及び会計監査人設置会社を除く。)は、第三百八十一条第一項の規定にかかわらず、その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨を定款で定めることができる。 
2  前項の規定による定款の定めがある株式会社の監査役は、法務省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。 
3  前項の監査役は、取締役が株主総会に提出しようとする会計に関する議案、書類その他の法務省令で定めるものを調査し、その調査の結果を株主総会に報告しなければならない。 
4  第二項の監査役は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対して会計に関する報告を求めることができる。 
一  会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 
二  会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 
5  第二項の監査役は、その職務を行うため必要があるときは、株式会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は株式会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 
6  前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の規定による報告又は調査を拒むことができる。 
7  第三百八十一条から第三百八十六条までの規定は、第一項の規定による定款の定めがある株式会社については、適用しない。 
    第八節 監査役会 

     第一款 権限等 


第三百九十条  監査役会は、すべての監査役で組織する。 
2  監査役会は、次に掲げる職務を行う。ただし、第三号の決定は、監査役の権限の行使を妨げることはできない。 
一  監査報告の作成 
二  常勤の監査役の選定及び解職 
三  監査の方針、監査役会設置会社の業務及び財産の状況の調査の方法その他の監査役の職務の執行に関する事項の決定 
3  監査役会は、監査役の中から常勤の監査役を選定しなければならない。 
4  監査役は、監査役会の求めがあるときは、いつでもその職務の執行の状況を監査役会に報告しなければならない。 
     第二款 運営 


(招集権者) 
第三百九十一条  監査役会は、各監査役が招集する。 

(招集手続) 
第三百九十二条  監査役会を招集するには、監査役は、監査役会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各監査役に対してその通知を発しなければならない。 
2  前項の規定にかかわらず、監査役会は、監査役の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 

(監査役会の決議) 
第三百九十三条  監査役会の決議は、監査役の過半数をもって行う。 
2  監査役会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 
3  前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 
4  監査役会の決議に参加した監査役であって第二項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 

(議事録) 
第三百九十四条  監査役会設置会社は、監査役会の日から十年間、前条第二項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 
2  監査役会設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、次に掲げる請求をすることができる。 
一  前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 
二  前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 
3  前項の規定は、監査役会設置会社の債権者が役員の責任を追及するため必要があるとき及び親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。 
4  裁判所は、第二項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該監査役会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第二項の許可をすることができない。 

(監査役会への報告の省略) 
第三百九十五条  取締役、会計参与、監査役又は会計監査人が監査役の全員に対して監査役会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を監査役会へ報告することを要しない。 
    第九節 会計監査人 


(会計監査人の権限等) 
第三百九十六条  会計監査人は、次章の定めるところにより、株式会社の計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに連結計算書類を監査する。この場合において、会計監査人は、法務省令で定めるところにより、会計監査報告を作成しなければならない。 
2  会計監査人は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対し、会計に関する報告を求めることができる。 
一  会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 
二  会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 
3  会計監査人は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人設置会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は会計監査人設置会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 
4  前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 
5  会計監査人は、その職務を行うに当たっては、次のいずれかに該当する者を使用してはならない。 
一  第三百三十七条第三項第一号又は第二号に掲げる者 
二  会計監査人設置会社又はその子会社の取締役、会計参与、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人である者 
三  会計監査人設置会社又はその子会社から公認会計士又は監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者 
6  委員会設置会社における第二項の規定の適用については、同項中「取締役」とあるのは、「執行役、取締役」とする。 

(監査役に対する報告) 
第三百九十七条  会計監査人は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを監査役に報告しなければならない。 
2  監査役は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人に対し、その監査に関する報告を求めることができる。 
3  監査役会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。 
4  委員会設置会社における第一項及び第二項の規定の適用については、第一項中「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」と、「監査役」とあるのは「監査委員会」と、第二項中「監査役」とあるのは「監査委員会が選定した監査委員会の委員」とする。 

(定時株主総会における会計監査人の意見の陳述) 
第三百九十八条  第三百九十六条第一項に規定する書類が法令又は定款に適合するかどうかについて会計監査人が監査役と意見を異にするときは、会計監査人(会計監査人が監査法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員。次項において同じ。)は、定時株主総会に出席して意見を述べることができる。 
2  定時株主総会において会計監査人の出席を求める決議があったときは、会計監査人は、定時株主総会に出席して意見を述べなければならない。 
3  監査役会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会又は監査役」とする。 
4  委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査委員会又はその委員」とする。 

(会計監査人の報酬等の決定に関する監査役の関与) 
第三百九十九条  取締役は、会計監査人又は一時会計監査人の職務を行うべき者の報酬等を定める場合には、監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。 
2  監査役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは、「監査役会」とする。 
3  委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは、「監査委員会」とする。 



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